建築業界で長年人気のあるフリーの2D CADソフト「JWCAD(Jw_cad)」。このソフトはもともとWindows用に作られていますが、Macユーザーの中にも「JWCADをMacで使いたい!」という声がたくさんあります。そんな願いをかなえてくれるのが、有志の人たちが作った「JW-CAD for Mac」です。
今回は、JW-CAD for Macのダウンロード方法やインストールの手順、対応しているOSやフォントの注意点など、MacでJWCADを無料で使うためのポイントをわかりやすく説明します。
JWCADをMacで使うには?──JW-CAD for Macとは
「JW-CAD for Mac」は、WineやWineskinというオープンソース技術を使って、Windows専用のJWCADをMac OS Xで動かせるようにしたアプリです。
これは、JWCADのWindows版をMac用に作り直したものではなく、Mac上に仮想的なWindows 7環境を作り、その中でJWCADを動かすという仕組みです。そのため、Windows版の機能をそのまま使えるのが大きな特長です。
ただし、MacのOSやセキュリティの設定によっては細かい調整が必要なこともあるので、初めて使う人は注意が必要です。
対応しているMacのバージョンは?
JW-CAD for Macが対応しているMac OSは以下の通りです。
- macOS 10.12 Sierra(正式対応)
- OS X 10.11 El Capitan
- OS X 10.10 Yosemite
- OS X 10.9 Mavericks
- OS X 10.8 Mountain Lion
- OS X 10.7 Lion
- OS X 10.6 Snow Leopard
注意点として、macOS Sierra以降では、アプリを「アプリケーション」フォルダに移動せずに起動すると、macOSのセキュリティによってアプリがロックされ、起動できなくなることがあります。必ず「アプリケーション」フォルダに入れてから起動してください。
ダウンロードとインストールの手順
- ダウンロード
JW-CAD for Macは、以下の公式サイトから無料でダウンロードできます。
GitHubというサイトでホスティングされているので、Dropboxなどに比べてダウンロード速度が速いです。
ダウンロードされるZIPファイルには、次の2種類のアプリが入っています:
- JW-CAD.7.11_for_Mac.app(安定バージョン)
- JW-CAD.8.01b_for_Mac.app(最新機能を試したい人向け)
- 解凍と配置
ダウンロードしたZIPファイルをダブルクリックして解凍し、好きな .app ファイルを「アプリケーション」フォルダに移動します。
このとき、デスクトップやダウンロードフォルダに置いたまま起動すると、アプリがロックされることがあります。必ず「アプリケーション」フォルダに移してから起動しましょう。
- 初回起動方法
アプリを右クリック(またはcontrol + クリック)して「開く」を選びます。セキュリティ警告が出たら「開く」をもう一度選んでください。これで、Appleのセキュリティ対策をバイパスして起動できます。
Cドライブの場所と保存先の注意
JW-CAD for Macは、アプリの中に仮想的なCドライブを持っていて、Windows環境と同じようにファイルを保存できます。
保存したファイルを見たい場合は、次の手順でCドライブにアクセスできます:
- JW-CAD for Mac.appを右クリック(control+クリック)し、「パッケージの内容を表示」を選ぶ
- Contents → Resources → drive_c フォルダが、実際のCドライブの保存場所です
アプリの外からファイルを触ったり編集したりすると、文字化けやデータ破損の原因になることがあるので注意が必要です。
文字化け対策とフォント設定
JW-CAD for Macでは、文字コードの違い(Windows:Shift-JIS、Mac:UTF-8)によって文字化けが起きることがあります。
以下のフォントを使うと、文字化けを防いで、印刷するときも正しく表示されます:
- MS 明朝(msmincho.ttc)
- MS ゴシック(msgothic.ttc)
- メイリオ(meiryo.ttc / meiryob.ttc)
上記のフォント以外だと、画面には表示されても印刷できないことがあるので注意しましょう。
文字化けが起きる場合は、Wineskinの「Winetricks」ツールを使って cjkfonts をインストールするのが一般的な対処法です。
PDF出力やプリンタの設定
JWCADは標準でPDF出力に対応していませんが、Macでは仮想プリンタ「VipRiser」などを使ってPDFファイルを作ることができます。
以下は動作確認済みのプリンタの例です:
- VipRiser(PDFプリンタ):macOS 10.6〜10.12で動作確認済み
- brother MFC-J6573CDW(インクジェット複合機)
- EPSON Colorio EP-802A(インクジェット複合機)
実際に使うときは、Macのプリンタ設定画面から各プリンタが認識されているか確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q:JWCADはMacに対応していますか? A:公式にはWindows向けのソフトですが、「JW-CAD for Mac」を使えばMacでも動かせます。
Q:macOSの最新バージョンでも使えますか? A:公式にはmacOS Sierra(10.12)まで対応しています。それ以降のバージョンでは動くという報告もありますが、サポート外なので自己責任での使用になります。
Q:インストール後にJWCADが起動しないのですが? A:「アプリケーション」フォルダに入れていない可能性があります。セキュリティ設定やWineskinのオプションを見直してみてください。
まとめ:MacでもJWCADを無料で使える!
JWCADは、建築設計を中心に多くの現場で使われている高機能な2D CADソフトです。Macユーザーでも、JW-CAD for Macを使えば、無料で手軽にJWCADを始められます。
文字化けや保存先の仕組みなど、いくつかの注意点はありますが、設定をきちんとすれば、Mac上でも快適に図面が作れます。MacでJWCADを使いたい人は、ぜひこの記事を参考にチャレンジしてみてください!